農産物の生産に適した平地や豊かな漁場に恵まれたきもつきには、いろいろな「うんめもん(おいしいもの)」があります。どうぞ召し上がれ!
お店レポート
地域住民が盛り上げる小さな山の物産館
2013.06.03(月曜日)     きもつき情報局
自然豊かな肝付町の中でも特に美しい景観で知られる地区のひとつが、いくつかの山間の集落からなる肝付町後田の川上地区です。国見山系のふもとにあり、その中心部には川が流れ、その流れがつくりだす滝もいくつかあります。これぞ里山!と呼べそうな空間がそこには広がっています。

それだけではありません。川上は町内の中でも地域活性化に向けた取り組みが盛んなところとしても知られています。関東から移り住んできた芸術家カップルや米づくりのために移住してきた若夫婦など「よそ者」を巻き込んだ形でさまざまな取り組みが続けられてきています(関連記事はこちら)。

そんな風光明媚で元気な川上地区の中核的存在といえるのが2年前にオープンした同地区の物産館「やまびこ館」です。高山から岸良に向かう県道を通り、川上地区の中心部にやってくると目の前に現在は休校となっている川上小・中学校があり、やまびこ館は学校の体育館のすぐ近くにあります(ちなみに、中学校の木造校舎は国の登録有形文化財に登録されています)。

まず、同館の名称の由来について館長を務める園田國治さんに説明してもらいました。

「ここは山間の集落ですし、訪れた人への真心こもったおもてなしで、その反響がヤマビコのように返ってくるようにとの思いを込めて『やまびこ館』と名づけました」

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 小中学校の体育館に隣接するやまびこ館

正直、地区単位で運営しているためか、他の地域の物産館に比べるとそれほど大きな施設ではありません。20坪ほどのスペースに地元でとれた野菜や米、果物のほか、地区でつくられている団子などの菓子類や味噌などがところ狭しと並べられています。

置かれている産品の9割以上が地元産で、地域の人たちが納品し、スーパーで買うより安い値段で販売しています。

園田さんは店の商品の特徴について次のように説明します。

「うちに並べる商品は旬のものだけです。ですから時期によって商品ががらりと変わります。置いてある物で季節を感じられる店なんです。今はデコポンやはるみなどの柑橘系がおススメですね」

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陳列台に並ぶ川上産の新鮮な野菜

さすがに山間の集落に建つ物産館だけあって、地元の木材をふんだんに使っており、施設の一角には囲炉裏や丸太を利用してつくられたテーブル、椅子などが設置されています。

地域外からやってきた買い物客はそこで一息つき、そして地域の人たちはそこでお茶を飲みながら仲間と語り合う――そんな集いの場所となっています。

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 入り口前に設けられた丸太の椅子とテーブル

地域の人々にとっては、そんな交流拠点としての役割を担っているやまびこ館ですが、実は他にも重要な役割があります。それはお年寄りが多い地区における「地域のお店」としての役割です。

市街地から距離があり、なかなか買い物に行けない人が多い川上地区では、いわゆる「買い物難民」の問題があります。やまびこ館には、そうした人たちを支援するという重要な働きもあるのです。実際、館内で売られるものの中には日用品なども含まれます。

オープン当時から店を切り盛りするのは館長の園田さんとスタッフの岩屋ヒロ子さんです。二人で工夫をしながら集客に努めているほか、園田さんなどが中心となってイベントを仕掛けるなどした結果、口コミなどで地区外の人たちにも次第に認知度が高まり、訪れる買い物客の数も年々増えているそうです。

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 館長の園田さん(右)とスタッフの岩屋さん

陳列されている産品や商品にも工夫があり、中には一風変わった商品もあります。たとえば、シュロというヤシ科の植物の葉っぱを使ったハエタタキや囲炉裏の鍋釜の高さを調整する自在かぎなどの工芸品なども置いてあります。

このような「珍品」は園田さんが地区内を戸別訪問して「昔はこういうものがあったが、お宅でつくってお店に並べてみませんか」と提案してまわり生まれたものです。地域の高齢者にとっては、それが生きがいになっている人もいるということで、地域に眠っている力を掘り起し、結集する役割もやまびこ館は担っているといえるのかもしれません。

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 シュロの葉でつくられたハエタタキ

一般的に地方にある物産館の場合、地元産だけで陳列台を埋めることは難しいといわれていますが、すでに説明したとおり、やまびこ館では実に9割が地元産となっています。その背景には、「できるだけ地元で売れるものをつくり、外からのお金(=外貨)を地域に落としたい」という園田さんたちの強い意識があるといえます。

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 お昼時の店内の様子

「畑に出る機会を増やしてあげることが高齢者の健康につながる」と話す園田さんは、「これから10年、20年とどんどん高齢化が進んでいきます。高齢者が畑や田んぼに出て元気に体を動かせるのは、このやまびこ館があってこそ。そしてこの流れを次の世代につなげていくためにも今、成功例をつくっておく必要があります。そのために毎日頑張っています」と語り、地域にとってのやまびこ館の重要性を強調します。

このように高齢者の生きがいづくり、買い物難民の解消、交流人口の増加とさまざまな役割を担っているやまびこ館――川上の美しい自然と地域の人たちとの触れ合いを兼ねて、みなさんもこのやまびこ館に足を運んでみてはいかがですか。

豊かな自然がもたらす野菜や米、味噌、手づくりの団子などはどれもおすすめですし、タイミングがあえば、山に囲まれた空間で地元の人たちとお茶を飲みながらおしゃべりもできます。この川上でぜひ、とっておきのひとときをお過ごしください。

【店名】 地域交流施設「やまびこ館」
【住所】 鹿児島県肝属郡肝付町後田6327−8‎
【電話】 0994-65-7807
【営業時間】 8時30分から18時まで
【定休日】 定休日:月・木曜日


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