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糸川先生が教える「人生で最も大切なもの」
2012.11.14(水曜日)     きもつき情報局
先週土日の二日間、内之浦で行われた宇宙関連の一連のイベントは、いろいろな意味で個人的にも意義深いものとなりました。
 
そのうち最大の収穫といえるのは、なんといっても糸川博士の人となりや言葉に触れることができたことです。いや、言葉だけであれば、それほどのインパクトはなかったかもしれません。それだけではなくて、その言葉の裏づけとなる実話を糸川博士と関係のあった人たちから直接聴くことができたからです。それによって博士の言葉に血が通ったからこそ、さらに実感をともなって心に迫ってきたのだと思います。
 
中でもいちばん響いたのが次の言葉でした。
 
「人生で最も大切なものは逆境とよき友である」
 
今回除幕式があった糸川博士の銅像の下の部分に記された言葉です。
 
itokawasensei.jpg
よき友はわかるとして、逆境をあげるとは、常に前向きで現状打破を図ってきた糸川博士ならではの味わい深い言葉です。だからこそ、博士の意思を受け継ぐ日本の宇宙開発の現場には、博士の前向きな精神が今なお脈々と息づいているのでしょうね。
 
以前に読んだ『「はやぶさ」式思考法 日本を復活させる24の提言』(川口淳一郎著 飛鳥新社)という本には、次のような箇所があります。
 
この点、私が生まれ育った宇宙科学研究所は、「恵まれた」組織でした。完璧を期そうとする日本文化から見ると「変人」に分類されそうな人がたくさんいました。「これこれだからできない」とは言わず、「こうすればできる」と発想する人ばかり集まっていたのです。これは「糸川文化」と言ってもいい特質なのかもしれません。
 
これに関連して、ある別の本では「頭のいい人ほど『これこれこういう理由でできない』とできない理由ばかりを考える」と書かれていましたが、「糸川文化」の中で育った人たちは同じ頭がいい人たちではあっても、完璧主義の日本文化の呪縛から解放されて、問題や課題をポジティブにとらえる資質が自然と身についていったのかもしれませんね。
 
この二日間のイベント期間中にはさまざま講演があり、たくさんの興味深い話が出てきました。宇宙科学研究所の秋葉鐐二郎名誉教授がお話になったことも印象深いものでした。正確ではないかもしれませんが、だいたい次のような話だったと記憶しています。
 
糸川先生にとって状況が変わるのは当たり前のことなんです。日本の宇宙開発に金がないのは昔からのことで、金がないなら、たとえば先生は「キンカンのような衛星を打ち上げればいいじゃないか」とおっしゃってました。
 
さすがペンシルロケットを打ち上げた糸川博士ならではの発想です。内之浦から来年夏に打ち上げが予定されているイプシロンロケットにつながる話です。つまり、小さなものづくりが得意な日本人の特性を活かして、衛星を小型化することでコストを抑えるということです。もちろん性能も維持しながらというより、さらに向上させて。
 
実際、世の中はその方向で動いています。コンピューターの世界でいけば、昔のメインフレームと呼ばれる巨大なコンピューターが今ではスマホやタブレットPCといった小型のコンピューターに置き換わっています。もちろん、小さくなっただけではなく、性能だって飛躍的に向上しています。確か、だれかが講演の中で「携帯電話のような衛星を飛ばしたっていい」と話していたように思います。つまりは、お金をかけなくてもできることはある、という発想です。
 
要は、さきほどの「できない理由を探さずに前向きに解決の方法を探る」というポジティブな姿勢につながる話ですが、現状が苦しいからといって嘆いたり諦めたりするのではなく、新しい発想と逆転の発想で現状を打破しようというのが糸川文化(あるいは糸川イズム)の真骨頂だということです。
 
それは現状、ロクでもない話ばかりが表に出てきているように思える日本全体にもいえますし、また、個々人の生活においてもいえることです。換言すれば、「悪いところを見るのではなくよいところを見る」ということにもつながる話です。
 
あの「はやぶさ」の奇跡の物語にもありました。イオンエンジンが単体では動かなくなったとき、動く部分だけをバイパスでつないで、推力を得たという、あのエピソードです。動く部分、つまり、たとえ微々たるものであっても、よいところがあればそれをつなぎあわせて現状を打破できたわけです。まさに「糸川文化」ならではのエピソードです。
 
「人生で最も大切なものは逆境とよき友なり」
 
糸川博士のこの言葉を脳裏に焼きつけ、どんな困難が目の前に現れたとしてもいたずらに悲観したり嘆いたりせずに、前向きに、そして逆転の発想でもってものごとに対処していきたいものです。
 
(^0^)
 

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