本コーナーではコラムをはじめとして、きもつきを題材としたさまざまな読み物を用意しました。どうぞじっくり、ゆったりお楽しみください。
われら、きもつき人
観客が楽しめる空間生み出す舞台美術家
2015.11.09(月曜日)     きもつき情報局
国民文化祭かごしま2015の一環として11月1~8日、肝付町で開催された「おおすみ芸術祭」。

会場となった肝付町体育館には、初日から「足場」が出現しました。「タワー公園を作ろう!!」と題して、数日間をかけて、ワークショップの形で来場者も参加しながら会場に公園のような空間を生み出す試みです。

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おおすみ芸術祭の会場

手がけたのは舞台美術家の佐々木文美さん。1983年生まれの佐々木さんは、両親が肝付町出身で、自身も小学6年生まで肝付町で育ち、「根っこの部分は肝付町にある」と感じているそうです。東京を中心に活動していますが、今も年一回は里帰りをしています。

「なじみがある場所だけれど、ずっといたわけでなく、知らないことも多いです。子どものときには行けなかった場所にも行けるようになり、子どもの時よりも町が広く感じられます」

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子どもたちと一緒に椅子づくり

佐々木さんが舞台美術にかかわるきっかけとなったのは、美術大学での卒業制作です。演劇チームと組み、「親が建築系の仕事をしている影響もあり、やるなら舞台美術を、と担当しました」。もともとは映像演劇学科に在籍し、ドキュメンタリー作家を目指していましたが、この卒業制作で「仕掛けに失敗した」ことから経験不足を感じ、もっとやってみたいと本格的に舞台美術に取り組むことになりました。

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足場の上で作業する佐々木さん
「お客さんが来て、座ったり、登ったり、おしゃべりしたりして、
楽しんでいただけたら、完成でしょうか」

この卒業制作チームをもとに、劇団(快快〔FAIFAI〕)が立ち上げられ、佐々木さんはそのメンバーとして10年以上に渡り国内外で活動しています。

演出、脚本、制作などをみんなで一緒に考えながら舞台をつくり出す集団制作のスタイルのなかで、佐々木さんが主に担当するのは、公演会場全体の設営・制作。舞台の上だけでなく、客席まで含めて手掛けるのが特徴です。「お客さんが会場で楽しそうな顔をしていると嬉しくなりますね」と佐々木さんは話します。

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仕掛けの紐を引っ張って巣箱の蓋をあけて鳥を探す来場者

今回のおおすみ芸術祭のような、来場者の要望を取り入れていく形で会場をデザインしていく試みは初めてで、戸惑ったといいます。

「どうやって来場者から要望を聞き出せばいいだろうと思っていましたが、始まってみると聞くまでもなく、来場したおじいちゃん、おばあちゃんが落語をしろとか、要望を言ってきて面白かったです。また、飾りに木の枝があるから持って来ようかと言われてお願いしたら、予想以上に立派な、枝というより木が届いたなど、思いがけないことが多かったです」と語る佐々木さん。ふるさとである肝付町で、また新たな経験を積んだ様子です。

佐々木さんの現在の目標は「オペラのようなもっと大規模な舞台に挑戦すること」。これからますますの活躍が期待されます。

※現在、このような活動もされています。

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