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コラム(アーカイブ)
TPPとオバマ大統領訪日
2014.05.12(月曜日)    中川十郎(なかがわ じゅうろう)
4月23日から25日まで米オバマ大統領が国賓として駆け足で日本を訪問した。日本のあとは25~26日韓国、26~28日マレーシア、28~29日フィリピン訪問と1週間弱のあわただしいアジア歴訪だった。

マレーシアについてはTPP(環太平洋経済連携協定)交渉で米側が国営企業問題、ブミプトラ(マレー人、マレー企業優遇策)などを問題視しており、後発医薬品問題も含めて、これらについても話題に上がった。情報論的にはこれらの国々でのオバマ大統領との会談で何を重点的に交渉したのか注目する必要があろう。韓国とは北朝鮮問題も主要な議題になった。

メデイアによるとオバマ大統領のアジア歴訪は「TPP」と「同盟」がキーワードだったいう。TPP交渉に参加している日本とマレーシア訪問をTPP「進展の機会」と位置づけた。ライス大統領補佐官は4月18日のホワイトハウスでの記者会見で「アジアでの貿易と投資拡大は、米国内の雇用創出や輸出拡大にとって根本的なもので、TPPが焦点だ」と大統領のアジア訪問を前に、オバマ政権はTPPの「売り込み」に躍起だったと朝日新聞のワシントン支局は報じている。

オバマ大統領は2009年に米国はその後の5年間でアジア向け輸出を2倍に拡大し、雇用を200万増大すると宣言した。2014年の今年がその最終年に当たる。アジア太平洋の成長を取り込むのがオバマ政権の戦略だ。

米商務省は2012年のアジア太平洋各国の4兆ドル(約408兆円)の輸入総額が10年後の22年には2.5倍10兆ドルまで増大すると予測している。今回のアジア歴訪の中では、TPP交渉の進展はアジア巨大市場への輸出と雇用拡大をPR出来る数少ない材料とみられている。

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成長著しいアジア市場を狙うアメリカ(写真はカンボジアのプノンペン)

オバマ政権は11月の中間選挙を控え、この公約の実現のため、日米でTPP参加12カ国のGDPの80%を占め、米国主導で米国の国益、米多国籍企業の企業益を目指すTPP実現のために重要な役割を演ずる日本との交渉で最後の努力をしたといわれる。あわせて「同盟」強化に関しては沖縄の尖閣問題や南シナ海領有権問題も議題となり、尖閣に関しては、米国は日米安保条約上、尖閣を守ると踏み込んだ発言をした。

4月18日までの3日間にわたるワシントンでの甘利明TPP担当相とフロマン米通商代表とのTPP交渉は十分な進展がみられず、21日からは場所を東京に移し、日米事務段階の最後の詰めの交渉が行われたが、具体的進展はなかったと報道されている。

日本としては問題山積のTPP交渉を拙速にまとめるべきではない。日本は100年の大計のため日本の国益を十分配慮し1985年のプラザ合意の二の舞を演ずることのないように慎重に交渉すべきだ。 

それに先立つ4月16日には、笹川平和財団主催でデニス・ブレア元米国家情報長官、元太平洋軍司令官の「アジアにおける日米同盟の価値」と題する講演会があった。ブレア氏からは、日米の国家安全保障上、日本のTPP推進や集団的自衛権の承認は当然であるとの発言があった。だが、日米間の経済、貿易問題を軍事や安全保障とからめ、TPPで日本の関税撤廃を強制することは本末転倒だ。経済と安全保障問題は厳しく峻別し、TPPに関しては日本の国益を重視し、日本国民の利益を第一に交渉することが大切だ。

われわれはオバマ大統領訪日の主要目的である「TPP」と「同盟」に関する交渉の推移を今後とも十分注視することが肝心だ。

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日本ビジネスインテリジェンス協会の顧問として長年、御指導いた

調査報道で有名なイギリスのFinancial Times 紙

2月22日からシンガポールで開かれていたTPP(環太平洋経済

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