本コーナーではコラムをはじめとして、きもつきを題材としたさまざまな読み物を用意しました。どうぞじっくり、ゆったりお楽しみください。
コラム(アーカイブ)
フランス人が見たきもつき
2014.01.21(火曜日)     きもつき情報局
2014年が幕を開け、今年最初のコラムでは、去年の夏、フランスのパリから訪れた友人夫妻(マコト&オディール)の見たきもつきについて書いてみたいと思います。

二人のうちの直接的な友人はマコトであり、1990年代の半ばにアメリカ・ワシントンD.C.の大学院で学んでいた時の同級生です。その後、彼は東南アジアの国際機関に勤務した後、パリに渡り、そこで今の奥さん(フランス人のオディール)と出会い、以来、そこで暮らしています。

二人は現在パリにアソシアシオン(協会)を設立し、パリを中心とするイル=ド・フランス地域圏の芸術史や移民および植民地化の歴史に関する文化財をガイドしています。

その20年来の古い友人とその奥さんが去年の夏、日本を訪れることになり、その期間中にぜひぼくの故郷も見てみたいというので、数日案内をすることになったのです。実際には彼らは1週間あまり滞在し、時間の許す限り、きもつきとその周辺の見どころを案内してまわったのでした。

彼らが肝付町およびその周辺地域で訪れた主な場所は以下のとおりです。

吾平山陵、宮下(神武天皇と深いつながりをもつとされる地区)、道隆寺跡、四十九所神社、塚崎古墳群、塚崎の田の神、たたら池、塚崎の大クス、唐仁古墳群(大塚神社)、轟の滝、辺塚海岸、内之浦のロケット基地、佐多岬、神川の大滝、荒平天神、桜島、霧島、高千穂、鹿児島市内、肝付町歴史民俗資料館、有明地区公民館(地元のお年寄りと交流)、竹林、田んぼ、さつまいも畑など

少々紹介するのが遅れてしまいましたが、以下でフランス人のオディールの目から見たきもつきの魅力を語ってもらうことにします。

以下をお読みになれば、きもつき(大隅)の自然や歴史といった資源には大きなポテンシャルがあることがおわかりになると思います。しかしながら、彼女が指摘しているとおり、海外からのお客さんを受け入れるには、言葉の問題をはじめとして課題も少なくありません。今後、その課題をどう克服していくのか、そこがカギとなりそうです。

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辺塚海岸を歩く二人

Q: まず、きもつきの印象から聞かせてください。

A: いちばん強く印象に残っているのは、深い緑に包まれた山と海の近さですね。山並みが直接、海に迫ってきています。 そして、自然と伝統、信仰、耕作などが微妙につながっているところも印象的でした。

この地の手つかずの自然は包容力に富んでいます。また、そこに住む人々は語るべきたくさんの物語を持っています。日本列島のこの部分(日本の南)に関する深くて特有の物語です。

私たちは今回、関西から瀬戸内海を経由して四国に渡り、それから九州の北東部に出て、それから肝付に着き、志布志港からフェリーで帰っていきました。こうしたルートを通ってやってきたことで、日本の南部の地理的状況やその多様性について理解を深めることができました。

Q: 海や海岸はどうでしたか? 

A: 辺塚につながる曲がりくねった湾岸道路は楽しかったですね。自然がつくった辺塚海岸はウミガメの産卵場所でもあるわけですが、とてもすばらしく、調和のあるところでした。海岸へは山から流れ込む清流があり、その流れが砂の彫刻をつくりだしていました。ある朝のことです。その清流で暑さしのぎに水浴びをしているサルの一群を見ました。

O: 日本の農村を体験するのは、きもつきが初めてですか。

A: はいといいえの両方ですね。きもつきに来る前にいろいろなところを旅して、さまざまな風景や農村を見てきました。都市に隣接した農村を訪れ、田んぼも見ました。でも、一か所に数日滞在してじっくり見たのは初めてです。

今回の滞在でいちばんおもしろかったのは、多様な風景がお互い、とても近くにあったということです。山と耕作された平野、自然の海岸線、そしてあまり人のいない集落などです。

山については緑が深くて、一見すると登るのが大変そうですが、ガイドがついていれば、ぜひ登ってその生態系に近づいてみたいと思います。

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神武天皇とゆかりがあるとされる宮下の桜迫神社を訪問

Q: 農村は、いわば知られざる日本ということになりますが、ヨーロッパの観光客に受けると思いますか。

A: それを決めるのは、言葉やコミュニケーション、農村の環境やエコロジー、そして住民との触れ合いなどをどう組み合わせるかですね。 

ヨーロッパでは、ローカルな観光、つまり観光客と住民の触れ合いができる滞在型のプログラムに特化した旅行代理店があります。フランスやイタリア、ドイツ、スペイン、ポルトガルの地方は「環境を尊重する」との宣言書に署名し、「緑の村」あるいはグリーン・ツーリズムのスタンプや商標などを取得しています。

観光に携わる地方の事務所が農家など地域住民の部屋を借りて、観光客はそこで自然食やその他の産品などをシェアするほか、ハイキングなどを楽しみます。

問題は言葉ですね。日本語の話せる外国人はそうはいませんから。地元のガイド・通訳がついている必要があります。

旅行者の中にはこうした農村に興味を抱く世代は必ずいると思います。

Q: 実際に、ここに来て、予想とは異なりましたか。 
 
前から日本の南を訪れてみたいという希望はありました。大きな都市から離れた農村ですが、それがどのようなものなのか、まったく予想していませんでした。

さまざまな風景に出会い、自然に満ちあふれた場所や神聖な古代の史跡を訪れ、住民との素朴な出会いにも恵まれ、異なる場所に滞在することができたことはいい意味での驚きでした。

この地方の自然は力強く、畏敬の念を抱かせてくれます。

歴史や神話、種子島をはじめとする数々の島々や中国、朝鮮半島といったほかの地域とのつながり、そして海を介しての人の移動の歴史など、もっと九州について知りたいと思います。

時間がなくて肝付町の歴史民俗資料館をじっくり見ることができなかったのが残念です。

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有明地区ではサロンと呼ばれる地域住民の集いにも参加しました
(そうめん流しを楽しんでいるところです)

Q: 外国人観光客を呼ぶうえで、地元の人たちや文化との触れ合いの場をつくることは大事だと思いますか。 

A: 大事なのは、外国人観光客を迎え入れるうえで、地域と地域の人々がかかわりを持つということです。彼らを受け入れるために古い家や建物をリフォームし、外国語によるコミュニケーションも必要でしょう。

Q: きもつきでの滞在は楽しめましたか?また来たいと思いますか?

A: 日本のこの地域の原風景には陽気さと軽やかさを感じさせてくれる雰囲気があります。今回、ここを旅して日本の神話や人の移動に関する本を読みたくなりました。

今度来るときにはグループでやってきて、車を借りて、 自然の中でハイキングしたいですね。そしてこの地方のことについてもっと深く知りたいです。また、地域の人たちと楽しい時間を過ごしたいです。

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