本コーナーではコラムをはじめとして、きもつきを題材としたさまざまな読み物を用意しました。どうぞじっくり、ゆったりお楽しみください。
コラム(アーカイブ)
五輪を東京だけのものにしてはならない
2013.09.30(月曜日)    有留修(ありどめ おさむ)
去る9月7日の夕方から夜にかけて、ぼくは東京の飯田橋付近にいました。

知人が主催する勉強会で講演をするためです。

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多くの参加者を得て開かれた講演会

講演会が無事に終わり、心地よい達成感に包まれてホテルに戻ってきたぼくの目に飛び込んできたのが、あのニュースでした。2020年のオリンピックの開催地が東京に決まったという、あのニュースです。

それを見ながら、あまりのタイミングのよさに驚きました。

なぜ驚いたのかというと、その講演会のテーマが「日本の田舎を世界に売り込め!」、つまり日本の田舎に世界の観光客を呼び込もうというものだったからです。

地方にオリンピックがもたらすかもしれない恩恵

正直、それまでは東京にオリンピックを誘致するという話にはほとんど興味を持てずにいました。

「なんでまた東京なんだよ。東京への一極集中がますます進むだけじゃないか。それより地方の発展にもっと関心を向けて、それなりの投資をしてほしい。東京だけが栄えても地方がすたれてしまえば、日本全体がダメになるのに......」

そう思っていたからです。

また、いまだに解決の糸口さえ見いだせずにいる福島原発事故の後始末という大事な仕事があるなかで、東京にこれだけの金とエネルギーを注ぎ込むのがはたしていいのかどうか、という道義的な疑念も少なからずありました。

東京に決まろうがそうでなかろうが、自分が住む田舎町にとっては雲の上の話――本音の部分ではそう思っていました。

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日本中の富や情報、人が集まる東京

でも、東京にオリンピックが決まった後に送られてきた講演会参加者からのメッセージで、それまでの無関心が関心に変わることになりました。

「オリンピックも東京に決まり、ますます肝付を世界に広げるチャンスですね!」

いわれてみれば、確かにそうです。

たとえ東京に大量の金とエネルギーが投下され、地方にその恩恵があまり届かなくても、やりようによってはきもつきのような辺境にある町にとっても、多少の恩恵は期待できそうです。もちろん、そのための準備を怠らないという大前提があるわけですが......

東京でオリンピックが開かれるとなれば、いったいどのくらいの人が海外からやってくるのでしょうか。おそらく期間中とその前後を合わせれば短期間のうちに100万人単位の人が日本を訪れるのではないでしょうか。

単純化して、仮に100万人としましょう。もし、そのうちの数パーセントでも鹿児島(県)に来てもらえたとして、その人たちが滞在中に一人あたり3万円程度のお金を落としていくとしましょう。仮に3パーセントとしたら3万人が鹿児島を訪れ、彼らは9億円ものお金を落としていってくれることになります。

そして、さらにそのうちの10パーセントがわが町を訪れ、同じように3万円落としていってくれたとしたら、3千人X3万人=9千万円が地域経済にもたらされることになります。人口17,000人の町にとっては決して小さくない経済効果です。

もうやると決まったわけですから、このチャンスを活かさない手はありません。

とはいえ課題は多い

わたしたちは今、きもつきを世界に売り込むための英語版のウェブサイトを構築中です。先ごろ、仕事を頼んでいる鹿児島市内のデザイナーさんにデザインの第一案を見せてもらいましたが、なかなかのもので、「これなら世界に出しても十分通用するサイトになるのではないか」との思いを強くしたところでした。

来年春のオープンを目指して、がんばっているところです。

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外国人も引きつけるに違いない田舎の自然(肝付町辺塚)

ただし、情報を発信するだけではとても外国人観光客を獲得することはできません。あと7年あるとはいえ、やるべきことは多々あります。

実は、先日町長と話をした際にもその話題が出てきて、今のうちから外国人観光客を獲得するための研究会を立ち上げようという話で盛り上がりました。これから、そのための準備をしていかねばなりません。

これから7年かけて何をやるかといいますと、上記英語サイトに加えて、できればフランス語や中国語による情報発信もしたほうがいいでしょうし、宿泊施設や飲食店のスタッフが最低限の英語で対応できるようにしなければならないでしょう。また、町中にある主な案内板や標識を外国語でも表記する必要があるでしょう。

それ以外にもやるべきことはたくさんあります。

これまで観光地化されたことがないだけに、外国人どころか国内からの観光客もあまり訪れることのない町ですから、一朝一夕に観光客を受け入れる態勢ができるとはとても思えません。しかしながら、せっかくオリンピックが東京で開催されるわけですから、なんとしてもその「おこぼれ」にあずかれるよう、やるべきことを今からやっていくべきでしょう。

これから地域住民の啓蒙も含めて、少しずつその目標に向かって準備を進めていきたいと思っているところです。

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