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コラム(アーカイブ)
TPPの問題点
2013.07.16(火曜日)    中川十郎(なかがわ じゅうろう)
安倍政権はTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)参加に向けて国際関係で70名、国内関係で30名、総計100名の官僚を中心に準備を始めているという。このため、WTO(世界貿易機関)、APEC(アジア太平洋経済協力), 日中韓FTA(自由貿易協定)交渉の人員は相当手薄になっており、日本の対外経済関係はTPPに偏っているのが実情のようだ。

米国とのTPP参加事前交渉は、乗用車2.5%、商用車25%の米国側輸入関税の最大限の延期(10年以上)を合意。さらにアフラックを含む米国の生命保険会社が強く要求していた「かんぽ保険」のがん保険などへの参入を日本政府は認めないと確約。米国は「政府が出資する日本郵政グループが自由に新商品を出せば、公正な競争を阻害する」と主張。日本政府は米国に配慮し、かんぽ生命のがん保険参入を凍結する方針をいち早く決めた。アフラックは営業利益に占める日本の比率が80%を超すほどになっている。(日経4月10日)

その結果、米国は日本のTPP交渉参加を認めたという。米国側の要求丸のみで、反対派が主張していた米を含む、牛肉、豚肉、乳製品、砂糖、麦など農産品5分野や、食の安全、医療保険などの日本側の要求は米側の確約を得ていない。これではTPP交渉に参加するために米国の言い分を丸呑みしただけではないか。どこに日本の国益を守るという安倍首相の主張が生かされているのか。安倍首相は二言目には日本の国益を守るべく、取るべきは取ると勇ましいことをいっているが、実情は上記通り、米側の要求丸のみの状態である。

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米多国籍企業の利益を代弁する米政府(写真はホワイトハウス)

「TPPのための米国企業連合」には約100社が参加しており、これらの米国多国籍企業のアジアにおける企業益、国益追求が米国の目指すTPPであることが明白になった。

食の安全では食品添加物の規制緩和を米国は日本に要求している。日本が認めている添加物は800種類だが、米国は実に3000種類の添加物を認めている。米国はここでも添加物の認可を拡大するようごり押ししている。

一方米国の農業5団体、全米豚肉生産者協議会、米ファームビューロー、USAライス連合会、全米ポテート協議会、米乳製品輸出協会幹部はTPPの日米合意に「めまいがするほどうれしい」と表現したという。

米国の豚肉関連産業は2万人の雇用が増えると目論んでおり、「われわれの期待はすべての製品での関税ゼロだ」と強調したという。「コメも量的にも質的にも日本市場への輸出を増やせるよう望んでいる」とライス連合会のカミングス最高執行責任者が発言したと4月16日の朝日新聞は報じている。

米国はさらに混合医療も日本に認めさせるべく動き出している。農業国のニュージーランド、豪州、カナダは「すべての品目を交渉の対象にする」「高い自由化を実現する」などと日本に求め、カナダは米国同様、日本車への関税を残すことを主張し始めているという。

安倍首相や日本のメデイア、財界、官僚、TPP賛成の学者がいうように日本がTPPに参加すれば、日本の景気回復が今にも実現しそうなバラ色の楽観論は厳に戒めるべきである。TPP参加国11か国の日本への要求など適格に正しい情報を収集し、十分分析し、対応策を練るTPP戦略こそ、いま日本に求められている。

通商交渉は形を変えた通商戦争である。バラ色のTPP論を振りまくことは厳に慎むべきである。

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