本コーナーではコラムをはじめとして、きもつきを題材としたさまざまな読み物を用意しました。どうぞじっくり、ゆったりお楽しみください。
コラム(アーカイブ)
障がい児保育20年を振り返る
2013.07.05(金曜日)    畠中親德(はたなか ちかのり)
私は20数年前、実家の保育園の跡取りとして帰ってきました。そのとき、養護学校勤務9年の経験を生かし、障がい児保育を実践したいと思っていました。

ちょうどその頃、幼稚園・保育園に在籍せず、自宅で療養している脳性麻痺のK君の情報が入りました。早速、病院でリハビリを受けているところを訪ね、「障がいを持つ子を私の保育園で受け入れたい」と願い出ることにしました。

当然ながら、私のあまりの唐突で無礼な押しかけ訪問に、母親は戸惑いを隠せません。

そんな私の行動だったにもかかわらず、1か月後、K君の家族から保育園訪問の依頼がありました。家族で話し合った結果、父親の「世間にさらされたくないという家族の思いより、Kの気持ちを優先しよう。そのためには、保育園側の話を聞いてみよう」という判断があっての決断だったそうです。
 
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肝付町前田にある現在の高山保育園

幸い、K君は数時間保育園体験をして、「保育園に行きたい」といってくれたそうです。

K君の初めての登園日、バギー車に乗せられたK君に、他の子どもたちは近づこうとしません。それもそのはず、友だちはみんな立って歩いているのに、一人だけ赤ちゃん同様バギー車に乗せられているからです。初めて見る光景で、子どもたちはどう対応したらいいのかわからなかったのでしょう。

思い余った私は担任に「子どもたちには僕からK君のことについて話をしようか」と持ちかけました。でも、担任からは「任せてほしい」との返事。そして、みんなで散歩に出かけてしまいました。

担任が先頭に立ちバギー車を押し、他の子どもたちは距離を置いて担任の後をついていったのです。私は心配でなりませんでした。

30分ほどすると、散歩から帰ってきた子どもたちのにぎやかな声が聞こえてきました。目を向けると、バギー車を子どもたちが取り囲むように押し合い、楽しそうにおしゃべりしながら園庭に入ってきたのです。担任は一人、後ろからついてきていました。

驚いた私は担任に事情を聞いてみました。一人の女子がK君に「歩けないの」と聞いてきたそうです。K君が「う、うん、あ、あ、あ、歩けないんだ」と答えると「私が押してあげる」と、その女の子。

そのやりとりを聞いた他の子どもたちも「押してやる」と争うように押し合い、あっという間にK君と友だちになったそうです。私はホッとするとともに、子どもたちの純粋さに感謝するばかりでした。

それから数か月して運動会がありました。

K君はスタートの合図で、2メートルをはってゴールに向かいます。友だちは1周走ってきます。なかなか進まないK君に、ある父親から「K君、頑張れ!K君、頑張れ!」との掛け声がかかりました。

あっという間にビリになってしまったK君に今度はみんなが後押しするように「K君、頑張れ!K君、頑張れ!」と合唱応援が始まったのです。

K君は応援にこたえるようにゴールしました。満面の笑顔でした。私は感動で胸が熱くなりました。

みんなの純粋な思いが、障がい児保育のスタートだったと思い出します。

私の保育園は今年で障がい児保育20周年を迎えました。

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