本コーナーではコラムをはじめとして、きもつきを題材としたさまざまな読み物を用意しました。どうぞじっくり、ゆったりお楽しみください。
コラム(アーカイブ)
アートと地域の素敵な関係
2013.06.24(月曜日)     きもつき情報局
地域おこし協力隊の任務についてから、8ヶ月が過ぎました。

これまでさまざまな提案をしてきましたが、どれも新しいことばかりなので、助けて下さる地域のみなさんには何かとご苦労をおかけしています。

でも、考えているだけでは何も変わりません。どれもこれも、やってみないとわからないことばかりです。

新しい提案といっても、その多くは小さな企画です。

もっと詳しくいうと、基本的には行政の支援がなくても自力でもできるものがメインであって、支援があれば当然、拡大もできるという「伸縮自在な企画」ばかりです。

そして、そのすべてのプロジェクトの先には、住民数のゆるやかな増加、まったく使われていない空き家の数をできるだけ減らす、という目標があります。

全国全世界、他のどこにもない、ここに一番合ったやり方で、それが実現できればいいな、と思っています。ただし、こればかりは自分一人では何もできません。地域の将来を思う住民のみなさん一人ひとりの協力や支援があって初めてできるものばかりです。

先日、6月5日に開催した空き家活用アートプロジェクト「一晩限りの彫刻展示会」も、まさにその通り、地元のみなさんのおかげで実現することができました。

大分県から車で6時間、肝付町川上の空き家を、3日間で素敵な空き家美術館にしてくれた彫刻家の2人組「オレクトロニカ」は、まだ20代の若手作家です。

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「一晩限りの彫刻展示会」で展示されたオレクトロニカの作品

彼らが地元の竹田市で続けている空き家を改修して運営している「傾く家」の話は、私たちにとっても良い刺激になりました。

情報の交流、人の交流の大切さとそれがもたらしてくれる未来の可能性を実感できた一夜でした。

私の専門分野はダンスを中心にした芸術ですが、芸術的発想が医療福祉、教育、土木や都市計画などの町づくり、情報発信、産業創出、宇宙開発など、さまざまな分野において、微細ながらも非常に重要で有機的な利益をもたらす可能性があることに気づき始めている人が多くなってきました。

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「おおすみ踊る地域案内所」のクロージング・イベント

なぜでしょう?

それとは異なる商業主義的な芸術も、もちろん多くはなってきましたが、根源の部分において、芸術とは本来、既存の枠にハマらない自由な発想力、創造力、コミュニケーション能力が活かされる分野だからです。

型にハマった技巧を追求すると、工芸や職人芸、名人芸の域になります。

もちろん、それはそれで後世に伝え残さなければならない大切な文化ではあります。

しかし、それと同時に、次なる可能性を探る時代に突入している今、枠の中で上手に生きようとする芸術ではなく、枠そのものを揺るがし、型を自由自在に転がし、活用し、乗り越え、新しい可能性を感じさせてくれるような芸術の存在が、必要とされているのかもしれません。

それはきっと、大げさなことではなく、先日のオレクトロニカの1日展示会のような、日常の小さな刺激の積み重ねで、知らず知らずのうちに起きているようなこと、なのかもしれません。

今回の企画を通して改めて思ったこと――それは「よい人材はよい人材をつないでくれる」ということです。

オレクトロニカを連れて来てくれたのは、竹田市の芸術祭に参加して彼らと知り合った松本充明でした。そして竹田市の芸術祭に彼が参加することになったのは、昨年の夏の芸術祭で川上にゲストで来てくれた高橋英明さんがきっかけでした。

人が人をつなぎます。

そういうつながりをつくってくれる人、一人ひとりを大切にしていくこと、これもまた、地域の将来を分けていく大事な要素であると思います。

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「おおすみ夏の芸術祭2012」の会場のひとつとなった川上中学校の教室(Photo by Goto Aki)

幸い、肝付町には、きもつき情報局という地域メディアがあるので、ともすれば埋もれがちな「人」という財産が、このウェブ上の紙面できちんと記録され、残されています。

こうした貴重な資料や情報を、これから実際、どうつないで、活用・発展させていくのか、それは、これを読む一人ひとりにもゆだねられているといえるのかもしれません。

自然豊かな大隅半島は、同時に、また、たくさんのよき人材の宝庫でもあります。

内から外から、それらも含めた地域の魅力を、芸術的視点やネットワークから改めて活かして、広げ続けていけるような、ここにしかないアートと地域の素敵な関係をつくっていければ、と思っています。

[追記] 地域おこし協力隊のウェブサイト上に隊員のブログコーナーがあり、不定期で執筆しては、肝付町からの情報発信をしています。こちらは2013年6月1日に掲載した日記です。自分なりの心構えを記してみましたので、よろしければご覧ください。

※JOUさんが執筆している地域おこし協力隊の隊員ブログはこちらです。

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