本コーナーではコラムをはじめとして、きもつきを題材としたさまざまな読み物を用意しました。どうぞじっくり、ゆったりお楽しみください。
コラム(アーカイブ)
大隅の人と自然が支える芸術祭
2013.02.05(火曜日)     きもつき情報局
いよいよ、おおすみ夏の芸術祭2012も最終日。
 
15名のアーティストに「その場と出会い、人と出会い、今ココでしかできないモノをつくる」という半ば無理難題とも思えるコラボレーションに参加してもらい、たくさんの宝物の時間が生まれた芸術祭でした。
 
人との交わりから鮮明になった芸術祭の目的
 
準備の時間も含め、この期間中にはたくさんの人に出会い、時にはおしかりを受け、時には励まされ、またいろいろな場面で助けてもらうなど、多くの学びがありました。
 
準備の過程で、「なにがやりたいの?」「どういうつもりなの?」「今までの芸術祭とどう違うの?」といったさまざまな問いかけを受け、それに対する答えを探すなかで、自分たちの活動がより明確に言語化されていったように思います。
 
また、新聞やラジオなど、メディアの皆さんのプロフェッショナルな切り口でのインタビューに答え、お話する過程やその結果としての記事により、「ああ、こういう言い方があるんだ。こう言えばわかるんだ」と、改めて自分たちも再認識できましたし、また、非常に助けられたようにも思います。
 
めて気づかされたのは、私たちは自分たちの作品発表の場をつくりたいわけでなく、誰かがよそでつくった作品を持ってきたいわけでもなく、人と人、人と場を創造的に出会わせた時に起きうる化学反応が見たかったのだ、ということでした。
 
そして、そういう過程のすべてが、地域の活性化につながり、また、アーティスト側の刺激にもつながり、世界が楽しくワクワクする方向にシフトし得るのだ、というアーティストとしての直感で動いているに過ぎません。
 
そうした一連の挑戦を面白がり、応援してくれたアーティストのみなさん、そして大隅半島のみなさんがいたからこそ、この芸術祭は、実現できたのでした。これは、鹿児島ならではの力だったのではないかと思います。
 
音と光、モノと人のコラボレーション
 
最後のイベントは、志布志市の島津楽器が会場でした。
 
かつて鹿児島を治めていた島津氏の末裔が営む島津楽器が、今回のイベントの会場となったのも、偶然とはいえ、この広域芸術祭にふさわしいといえるかもしれません。
 
島津楽器の専務からの温かい豚汁とおにぎりの差し入れに助けられ、ボランティアスタッフのみなさんと一緒に、会場の準備をしました。
 
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手伝ってくれたボランティアスタッフ
 
前日に見事な義太夫をラジオで披露された田中悠美子さんの三味線ワークショップには、宮崎県からの参加もありました。
 
JOUダンスワークショップでは、子どもから大人まで、不思議なコミュニケーションダンスの時間を過ごしました。
 
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子どもから大人まで参加したダンスワークショップ
 
階段上での展示インステレーションでは、鹿屋市串良町やねだんのアーティスト、中尾昶さんのブロンズ像が松本充明の映像と音楽とコラボレーション、いつもの階段が別世界に変身します。
 
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中尾さんと松本さんのコラボを見つめる観客
 
その後、ステージ上で行われたライブでは、田中さんの三味線独演の後、松本充明と田中さんのデュエット演奏があり、最後にこれまで参加してくれたアーティストのみなさんで、当日参加のC.I.co.とJOU、アメタ食堂のせいかさんを加えてのぜいたくなクロージングセッションです。
 
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見事なばちさばきを見せる田中さん
 
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音と踊りの共演
 
最終日は大崎町や肝付町、鹿屋市など大隅各地から来場者があり、大隅の豊かな自然や人々の懐の深さが、人と人との出会いをより深く広く演出してくれたように思います。
 
聞けば、志布志湾から内之浦にかけては、古代の貿易や交流の拠点として栄えた地域だったそうです。肝付町から志布志市にかけての肝属平野には、今でもたくさんの古墳が残っています。ということは、この地域は古くから海外との交流を通して、豊かな文化をはぐくんでいた地域だったのではないでしょうか。
 
その意味で、よそ者である私たち夫婦が、「こちらでやりたいこと」=「芸術で人や場を創造的につなぐこと」を体験してもらおうと無茶な開催を試みた「おおすみ夏の芸術祭2012」では、結果的にこのような形でたくさんの地域の人々とかかわりながら、やりたいことが実現できたのも、実は古代から受け継いだ文化的DNAを今に残す大隅半島であったからこそ、なのかもしれません。
 
大隅を越えた広域アートを目指す
 
自分たちが好きで始めたこととはいえ、実際にはほとんど自腹で覚悟のいる開催でしたが、まわりの方々のおかげで、見えない財産が本当にたくさん残りました。寝る間もなくて大変な時期もありましたが、この芸術祭を通して私たちが受け取ったものは、人からの思いやりや気遣いといった、いつまでもなくならない大切な思い出です。
 
また、多忙な日々のなかで、一日の終わりに目にする大隅半島の美しい夕暮れの風景に、何度励まされ、元気をもらったことでしょう。つなぎたいと思える素晴らしい人々と場に、逆に助けられ、学び、たくさんの温かい元気をもらった芸術祭でした。
 
この芸術祭のチラシを後日、東京で人に見せた時、会場の地名や写真で話が盛り上がりました。そうした会話のなかから芸術祭の会場が、地区や行政の枠を越えて、広域アートマップになり得ることに気づくとともに、みなさんの反応から芸術祭の次の展開へのアイデアが浮かんできました。
 
そのアイデアとは、鹿児島全体、そして九州全体をアートでつなぐ芸術祭にしていったらいいかもしれない、というもの。政治でも商売でも宗教でもない、「自由で温かい」というくくりとしての「アート」を通して、人と人、人と場がつながる機会をこれからもつくっていければと思っています。
 
自由な交流の場や時間は、かかわる人それぞれの、未来の可能性を大きく開いてくれるはずだからです。
 

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