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コラム(アーカイブ)
旅の印象は人との出会いで決まる
2012.11.28(水曜日)    有留修(ありどめ おさむ)
この11月下旬、東京からやってきた知人といっしょに霧島を旅しました。
 
そのとき泊まった宿というのがちょっと古びた、正直あまり人気もないようなところ。インターネットの口コミで見たところ、温泉と食事の評価はそこそこだったものの設備については評判があまりよくなかったところです。
 
泊まる日が近づいてきて宿に何度か電話したものの、だれもでないということが2度ほど続きました。
 
うーん、この宿って大丈夫なんだろうか......
 
少々不安がよぎります。
 
higashijinja1.jpg
霧島でのお気に入りスポットの一つ、霧島東神社
 
実際、泊まってみると連休の初日だったにもかかわらず、あまりお客はいません。宿に着いてすぐ温泉に行くとほとんど貸し切り状態です。まぁ、それはそれで悪い話ではありません。広い温泉を独占できるわけですから......
 
ただし、インターネットの口コミで見たとおり、設備は古く、蛇口が黒くなっているところもあれば(温泉の成分のせいでしょうか)、いすや洗面器もあまりきれいとはいえません。また、温泉には必須アイテムと思われる飲み水も置いてありません。
 
はっきりいって、この水準ではお客がいい印象をもてるとは思えません。
 
ところが、です。温泉から上がり、食事をするときに宿の印象ががらっと変わりました。
 
そこで対応してくれた女性スタッフの対応がすばらしかったからです。
 
一言でいって、とても気さくで飾らない対応といえばいいでしょうか。ちょっと話しただけで、もう昔からの知り合いのような気分にさせられるのです。見た感じ、何か特別な訓練を受けて、そうしているようではありません。あくまでもその人本人の人間性が自然に出ているという感じです。
 
もちろん、出てきた食事の質がよかったということもありますし、思っていた以上にたくさんの食べ物が出てきたということも関係しているでしょう。要は、期待値がそれほど高くなかったがゆえに、そこでの印象がとてもいいものになったのかもしれません。
 
でもやはり最大の要因はその気さくなスタッフの存在です。彼女がいたからこそ、宿の印象が本当によいものになったわけです。
 
思うに、これは常日ごろ、ぼく自身がまわりの人に話していることなのですが、旅の印象は人との出会いでがらっと変わるものです。これまでに世界のいろいろなところを旅した経験からして、それはもう確実にいえることです。
 
たとえばヨーロッパを旅したときのことを思い出すと、あそこでは教会や美術館、博物館といった類の施設を見てまわることが多くなります。確かに日本にはないもので、しかも圧倒的な存在感をもって迫ってくることが多い。初めて見たときのインパクトにはそれなりのものがありました。
 
でもです。いくら絢爛豪華な建物とはいえ、いくつか見ているうちに次第に飽きてくることがあります。特に、歩き疲れてくるとそうなるような気がします。正直、よほどのことがないと、そうした「人工物」との出会いで強烈な印象が残ったことはあまりありません。もちろん、あくまでもそれはぼく個人の考えなわけですが......
 
ところが、ふとしたところで出会った人の印象は強く心に残る確率が高い気がします。ヨーロッパだけではなく、アメリカでもそうですし、中国や東南アジアを旅したときにも人との出会いが旅の印象をずいぶん豊かなものにしてくれました。
 
prague-church.jpg
チェコのプラハで撮影した教会の写真(2002年12月)
 
話を霧島の宿に戻しましょう。
 
そうなんです。旅人が旅先でいちばん強い印象を持つのは、なんといっても人との出会いなんです。少なくともぼく自身はそう確信しています。
 
あの女性スタッフがいなければ、さらに翌朝の食事どきに対応してくれた男性スタッフがいなければ、正直、あの宿にはもう行くことはなかったと思います。でも、彼らがいてくれたために「もう一度、行ってもいいかな」という、再訪に向けた可能性が残ったことになります。それに部屋自体は思ったよりもきれいでしたから、すでに指摘した点を若干改善するだけで、その宿はもっと人を呼べる可能性があると思うのです。
 
ですから、今回の経験から学べることは、やはり人の対応の大切さです。
 
地元にあてはめて考えてみれば、きもつきを訪れる人がいい印象を持ってくれるかどうかは、ひとえに地元の人たちの対応にかかっているということです。その意味で、先日行われた「おもてなしセミナー」などは本当にいい学びの機会だったといえます。
 
きもつき人が本来持つと思われる自然なおもてなしの心と態度をどうやったら引き出せるのか――そこのところに今後、さらに注目して学んでいく必要があると思います。
 

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