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きもつきレポート
多様性のある人々を呼び込みたい
2019.03.26(火曜日)     きもつき情報局
肝付町への移住を決めた上で、2016年4月、地域おこし協力隊に着任した園田欣大(よしひろ)さん。

長崎県対馬市出身で、福岡に進学、協力隊になるまで富山や滋賀の都市部で働いていた。

「都会は都会でいいところがある。刺激が多いですし、若いときに暮らすにはいい場所です。でも、都会にずっといたいとは思わなかったんです」

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(改修作業を進める宙ハウスの前にて。ガラス戸のロゴは自作)

移住後の「自営」、起業を念頭に、地域おこし協力隊の制度を利用することを決めた上で、候補地の範囲をなじみのある九州に定めて探し、肝付町を選んだのは「ロケットセンター(内之浦宇宙空間観測所)がある」ことが大きい。

島という限られた空間のなかで育ったからこそ「遠い知らない世界、知らないものへの興味」が強く、「知らないことを知る」ために島の外へ出て、時間があるときには海外旅行へも出かけた。

そうした興味をひかれる「知らないこと」の代表が「宇宙」であり、日本においてその宇宙に触れられるのが「ロケット」だった。

「そのロケットのある暮らしが、どんなものなのかも知りたかったんです」。

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(イプシロンロケット2号機の打ち上げ見学場で販売ブースに立つ)

肝付町が「適度な田舎」であることも理由のひとつだ。

「都会でずっと暮らしたくはないといっても、スーパーやコンビニなどが全くないのも困るんですよ。不自由なく暮らせる環境が良い。適度な田舎である肝付町、内之浦だと海と山の雄大な景色の見える場所にもすぐに行けるし、通販も利用でき、隣の鹿屋市まで行けば大体のものがそろえられます。海の近くであることも決め手ですね。海辺育ちですから、山の中はだめなんです」

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(お気に入りスポットのひとつ小串地区。人の手の入った里山の風景が好きなのだそう)

同じロケットの打ち上げが行われ、海に囲まれた種子島ではなく、肝付町にしたのは「陸続きのほうがいいから」。

離島での暮らしを知っているからこそ、今後の事業展開を見据え、物流や移動の観点から「物販をするのも有利」な肝付町を選んだ。

「通販も安く届けてもらえる範囲ですからね」と笑う。

さらに、「肝付町の地域おこし協力隊の自由度の高さ」も決め手になった。

「活動をしながら、任期後の準備もできるので魅力的でした」

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地域おこし協力隊として肝付町PRのために苦手なメディアへの出演も頑張った)

着任して1年目は、町や周辺地域の様子を知るために、イベントへの参加や会社訪問を活動の中心にした。

地域づくりボランティアグループ・内之浦創星会のメンバーにも加わり、多くのイベントをこなしながら人脈を広げ、勉強を兼ねてネットショップを立ち上げた。

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(鹿児島空港でのPRイベントにロケット交流会、東京での移住フェア、草刈りの手伝いなど活動は幅広い)

2017年2月には個人事業主となり、「園欣商会」の屋号で商品の開発・販売を試み、登録手続き上の理由から早く住所を定めようと事務所にするための物件を探した

条件は「大通り沿い」であることで、見つかったのは国道沿いの元旅館の建物。想定より大きかったが、移住促進の拠点として利用もできるのではと購入を決めた。

「宙(そら)ハウス」と名付け、クラウドファンディングを利用して(詳しくはこちら)、改装・修繕に取り掛かったが、住んでみないとわからない細かな修繕も次々に出てきて、予想以上に手がかかった。

「2年目の途中からは、リフォーム作業に追われましたね。5部屋分の床はりに、壁紙の貼り替えなど自分の手で進めました」

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(床はりに外壁の清掃、障子張りとすることはいっぱい!
改修作業の進む中、宙ハウス利用者は100名を超えている)

2018年12月に民泊申請を行った。当初は移住者用の「シェアハウス」を考えていたが、「居住ポイントを各地に持って、移動しながら働く人々が増えている。そういう人たちの受け入れ拠点として整備し、今まで肝付町に来たことのない、新しい人たちを呼び込むことができればと考えて、短期から滞在できる民泊をすることにしました」(※「宙ハウス(園欣商会)」のページはこちら)。

地域おこし協力隊の3年の任期の終わりを迎え、「現状くらいのところまで2年目には進んでいる予定だったんですけどね」と苦笑をこぼす。

「ゆくゆく事業を拡大していきたいけれど、時間はかかると思います。当面は副業OKなところで勤めながら、一歩一歩、進めていきたい」

まずは宙ハウスを「なるべく手のかからない状態」にするために、地域おこし協力隊の起業支援補助金制度も利用しながら改修・整備を急ぎ、民泊用のホームページやカード決済の利用ができるように準備を進めている。民泊の本格的な受け入れは4月以降になる。

民泊利用は1階部分で、2階部分はギャラリーとしての利用やロケット関連資料の展示をする予定だ。

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(民泊に使われる部屋を案内する園田さん(上)。映画好きのため「シアタールーム」としても使えるよう、
会議室として利用できるスペースには、スピーカーを複数設置)

3年間で一番大きく変わったのは、仕事への対応方法。

「以前の仕事は、データや数値化されたものが相手でした。今はなにかしら感情的なものが相手になっていると思います。都会とは違い、人の結びつきが多方面にわたってかかわってくるので。難しい面もありますが、人との関係をきちんとつくっていくことがとても大事だと感じています」

人口が減っていく中、みなが同じではない、なにか変化があったほうが、地域の暮らしを持続させることができるのではないかと考えている。

「内之浦にはロケットセンターがあることで、多様性を受け入れやすい土壌が、懐の深さがあると思います。だからこそ、自分自身も同化しない部分、染まらない部分をあえて残しながら、いろいろな考えを持った、さまざまなタイプの人間を呼び込みたい」

町内外からさまざまな人が集う場所になる可能性を秘めた宙ハウス。今後の展開が楽しみだ。

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