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伝統文化紹介
やぶさめロード 1 不安と期待を抱いての旅立ち
2012.09.06(木曜日)     きもつき情報局
9月3日の午後3時半過ぎ、町の中心部から少しはずれたところにある旧国鉄の鉄道線路跡地に三々五々、人が集まり始めました。
 
集まってきたのは、肝付町高山地区で毎年秋に行われるやぶさめ祭りを中心となって支える肝付町高山流鏑馬保存会の人たち、そして他の関係者です。10月21日の日曜日に開催される今年のやぶさめ祭りに向けて、そのための準備がこの日からスタートするのです。
 
大人に混じって中学生の男の子が二人います。一人は、去年のやぶさめの射手として見事にその大役を果たした宮本春生君(中学3年生)。そしてもう一人が今年の射手である益山麗斗君(中学2年生)です。
 
そう、この日は、今年の射手となる麗斗君が初めて馬に乗る日、初練習の日なのです。(※この日の練習をビデオにまとめたレポートはこちらです。)
 
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去年の射手、春生君が余裕の表情でいるのに比べて麗斗君のほうはどこか不安げです。
 
それは保存会の会長を務める益山瞬一さんも同じです。実は、瞬一さんは麗斗君のおじいちゃんでもあるのです。
 
「複雑な気持ちですね。会長職はしないといけないし、じいちゃん役もしなければいけないということで、はっきりいって不安がいっぱいです」
 
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そんな不安を抱えてのスタートとなったこの日の初練習。午後4時を少し過ぎたところで今年のやぶさめ祭りの安全と成功を祈願する神事が執り行われました。おはらいの後、みんなでお神酒をいただいて神様への祈りは終了です。
 
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神事が終わると、これからが練習の始まりです。
 
「この子は、子供のころからやぶさめをずっと見ていました」(瞬一さん)と馬には慣れているかに見えた麗斗君でしたが、聞いてみると「実際には乗ったことがないので緊張します」と、どこかぎこちなさそうです。
 
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初めは馬に慣れることが大事。複数の大人に引かれた馬にまたがり、ゆっくり歩くことからスタートです。
 
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ただし、ただ歩くという行為も含めて、すべての動きが実際のやぶさめに合わせて続いていきます。
 
実際のやぶさめでは、馬が走る前に射手の父親が近くの柏原海岸からもってきた砂を馬の通る道にまくわけですが、この日の練習もまったく同じです。去年の射手の春生君の父親に教わりながら、麗斗君の父親が砂を路上にまいていきます。
 
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しばらく馬にまたがったままだった麗斗君。今度は、これも実際のやぶさめと同じで出発地点を小さく3回ほど回ってから練習用にほぐされた線路跡をゆっくり目のペースで歩き出します。先導するのは春生君です。まずは、その春生君の真似をすることからすべては始まります。
 
ちょっと驚いたのは、二人が初めから両腕を上にあげたまま馬に乗っていたこと。初めは手綱をつかんで練習するのかと思っていましたが、やぶさめでは両手が自由にならないと肝心の矢が放てないので、初めからこうして両腕を上げたまま練習するのでしょうね。でも、見ているほうもけっこうハラハラします。
 
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さて、この日の練習では200メートルあまりの線路跡を3回往復することになりました。ずっと腕を上げたままの姿勢ですから、さすがに途中から疲れたようです。麗斗君の腕が頻繁に下がるようになりました。
 
でもそれは仕方のないこと。なんといっても今回が初めての練習なわけですからね。
 
練習を終えて戻ってきた麗斗君に聞くとやっぱり大変だったようです。
 
「揺れるので怖かったです。(そして腕のほうも)疲れました」
 
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これだけ大勢の人が見守る中で立派に馬に乗るのは、はっきりいって大の大人でも難しいことです。これから麗斗君が練習を重ねていってどんな射手に変身していくのか。その過程をきもつきレポートでは追いかけていきたいと思います。
 
ちなみにこの日の練習の後は、町役場の近くにある四十九所神社の敷地内に設けられた特設会場で「直会(なおらい)」と呼ばれる行事が行われました。
 
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この直会とは、一般的には神様にお供えした供物をもらい受け、それをみんなで一緒に食することで神様との一体感を持つというものですが、郷土史に詳しい専門家によると、この場合は、やぶさめの出発の儀式的な意味があるといいます。つまり、神様との宴席を設けることで神様と一緒になって今年のやぶさめを盛りあげていこう、ということです。
 
特設会場には、保存会のメンバーや役場関係者、そしてもちろん射手の家族も集まり、保存会の会長や町長のあいさつに続いて、麗斗君も発言、「貴重な体験なので、しっかりとがんばっていきますので、よろしくお願いします」と力強く抱負を語ったのでした。
 
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麗斗君のやぶさめロードはまだ始まったばかりです。
 
 

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