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伝統文化紹介
巨大な炎と孟宗竹の破裂音で鬼も退散?!
2013.01.10(木曜日)     きもつき情報局
今年も1月5日から7日にかけて肝付町内のあちこちで伝統行事の鬼火焚きが行われました。
 
鬼火焚きとは竹や正月飾りなどを燃やす火祭りの一種で、肝付町はもちろん鹿児島県内各地で受け継がれています。肝付町の場合、呼び方は「オネッコ」だったり「ドヤドヤサー」だったりと地域で違いがありますが、無病息災を願うのは同じで、炎や竹の破裂する音が邪気を追い払うとされています。
 
勢いよく燃え盛る炎を目にし、また孟宗竹をはじめとする竹が破裂する音を耳にすれば、確かに悪い鬼もびっくりして逃げ出すかもしれませんね。
 
それでは、各地で行われた鬼火焚きを一つひとつ紹介します。
 
国見ジャンボ鬼火焚き
 
まず紹介するのは、1月5日の夜、町内で最初に行われた肝付町高山地区の国見の鬼火焚きです。その名も「ジャンボ鬼火焚き」。なぜジャンボかというと、中心部に20メートルを超える柱を設けるなどとにかくスケールが大きいからです。
 
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子供たちが点火します
 
国見校区青少年育成連絡協議会を中心とした有志の方々によって平成18年から行われているもので、主催する平野順一さんは「薩摩半島からこちらに移ってきた人がいて、その人からの『こちらでは鬼火焚きはないんですか』という一言がきっかけとなり始まった行事です。これを通じて地域のよさを感じてほしいですね」と語ってくれました。
 
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燃え上がる炎を見上げる人々
 
地区内の子供たちが中心となって点火すると、火はまたたく間に全体に広がり、大きな孟宗竹も燃えだします。パーン、パーン――近づくと大人でも恐ろしくなるほどの大きな破裂音がします。これなら鬼が退散するのも間違いありません。
 
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巨大な炎が夜空を焦がします
 
火の勢いがおさまると子供たちが竹の先に餅をさして、火であぶります。ちょっぴりへっぴり腰の子供もいますが、餅が焼けるのを楽しみに待っている様子でした。
 
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不測の事態に備えて消防団も待機しています
 
スケールが大きいだけにすべてが燃え尽きるまでにはかなりの時間がかかるということで、一晩その場を離れずに見張り役を務める人もいるほどです。
 
国見の夜空を照らす鬼火焚きは夜遅くまで続いたのでした。
 
論地と岩崎の「オネッコ」
 
肝付町高山地区の中心部に近い論地と岩崎では、振興会(=町内会)や子ども会が中心になって1月6日の夜に「オネッコ」が開催されました。
 
いずれの地域でも、オネッコのために一番大きな孟宗竹(親竹)を中心に竹を組み合わせてやぐらをつくります。やぐらは大人が20人以上入れそうな広さがあり、火をつけるまでの間、子供たちが中に入り、そこにつくられた即席の囲炉裏を囲んで暖を取ったり、餅を焼いて食べたりして楽しみます。
 
楽しむのは子供だけではありません。大人たちはやぐらの周辺で酒盛りです。
 
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やぐらの中で餅が焼けるのを待つ子供たち(論地)
 
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魔よけとして火の粉を浴びます(論地)
 
やぐらに点火するとあっという間に火が燃え広がり、赤々と辺りを照らします。時折響く「パーン」という竹の破裂音に歓声が上がり、魔よけの効果があるとされる火の粉を浴びようと幼子を抱いてやぐらのまわりを歩く人の姿も見受けられました。
 
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やぐらに点火するとすぐに火が広がります(岩崎)
 
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炎が赤く辺りを照らします(岩崎)
 
 
内之浦のドヤドヤサー
 
肝付町内之浦地区の漁港近くの海岸で例年通り1月7日、ドヤドヤサーと呼ばれる鬼火焚きが行われました。
 
この内之浦のドヤドヤサー、海辺でしかも昼間に行われる鬼火焚きということでほかの地域のものとは少々趣が異なります。先端に日の丸の扇や五色の布、色紙の飾りがつけられた孟宗竹などを束ねて立て、その根元のまわりに掘られた大きな穴には、しめ縄やお札などの正月にちなんだもろもろの品々が積み上げられています。
 
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平日にもかかわらずたくさんの人が集まっています
 
また、竹の柱には12本の縄が結ばれ、それぞれの縄には1月から12月までの文字の書かれた木札がつけられています。
 
まずは神主によるお祓いがあり、七草祝いの子供たちもお祓いを受けます。その後、子供たちがそれぞれの生まれ月の縄を持ち、点火を待ちます。
 
そしていよいよ点火です。
 
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自分の生まれ月の縄を持つ子供たち
 
火はすぐに勢いを増して柱の根元を包み、穴全体に広がります。少し離れた場所にも温かさが伝わるほどです。
 
根元が燃えて傾き始めると、危なくないように海側へと倒します。近くで見守っていたドヤドヤサー保存会の丸山節子さんによると、かつては海側に倒れるか、山側に倒れるかで豊漁か豊作かを占っていたそうです。
 
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柱の根元は大きな炎に包まれます
 
竹の柱が倒れると先端につけられていた飾りや笹を取ろうと一斉に大人も子供も駆け寄ります。縁起物として持ち帰り、床の間などに飾るそうです。
 
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縁起物の飾りを手にしようと大人も子供も必死です
 
保存会の石倉勝美会長は「今年は巳年、蛇は脱皮を繰り返すことから再生の象徴となっています。再生する、素晴らしい年になってほしいです」と語り、地域の人たちの健康と繁栄を願っていました。
 

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